四十歳で結婚も良し

いろいろあって39歳で結婚しました。
諦めたことも多いけど、面白い人生です。

下垂体腫瘍

翌日の土曜日、娘はだいぶん正気に戻っていた。
朝には、少し歩けるようになっていて(まっすぐ歩けないのでフェンスなどの中でしか動けないが)、目力も少し戻ってきた。


寝姿ですがその日の写真




昨日来院の約束をしていたので、再度動物病院に連れて行った。
先生が大学病院に直接電話をして、MRIの予約を取ってくださっていた。月曜日の9時。最善の日程だ。きっと優先患者だと伝えてくださったのだろう。


その後、日曜日にはまた少し状態が戻った。ハーネスをつけて、上から少しだけひっぱると、まともに歩ける感じになった。


月曜日、私は仕事を休み、車で1時間の大学病院へ。
できるだけ車を揺らさないよう運転するのが大変だった。
最初は騒いでいた娘も、最後の15分くらいは眠っていた。


9時半ころ診察室に呼ばれ、問診があった。先生の立ち合いのもと、大学5年生の女の子が問診をした。症状について一部(思い込みから)決めつけた発言があったと感じた。そこは後で先生から注意されたのだと信じたい。立派な動物医になってください。


麻酔医立ち合いのもと麻酔管理をするので安心してほしいと言われた。
ここまで来たら安心して任せるしかないので、信じてお願いした。


すべて終了して13時にはお呼びできると思います、と言われたので、
12時半まで病院前の駐車場の車の中で待つことにした。
北海道ということもあり、その日は窓さえあけていれば15分程度は暑さを我慢できる天候だった。15分エンジン&クーラーを入れ、15分止めて、を繰り返して車内で待機した。数日の介護で身体は疲れていたが、もちろん寝ることはできなかった。


12時半になり院内に戻った。
13時。まだ呼ばれない。
13時15分。まだ・・。なにかあったのだろうか?昼休み中の主人にラインで不安な気持ちを訴えたところ「何かあったら逆にすぐ呼ばれるよ」と言われ、なるほどその通りだと思い落ち着きを取り戻す。
13時30分を過ぎて、また不安の虫がうずき始めたころ、診察室に呼ばれた。


画像とともに説明をいただいた。
「フレンチブルドッグは、脳の実体に腫瘍ができることが多いのですが、
この子の場合、下垂体の場所に腫瘍が見えます。1センチです。
出血した跡があるので、先日の発作は、おそらく腫瘍からの出血によるものと思われます。実は過去にも出血しただろうという跡がほかにもあります※。
そして、その出血によってだと思うのですが、左の海馬にダメージが見られます。それで歩行困難や記憶障害が起こっているはずです。
腫瘍の大きさは1センチにもなるので、一般的には手術非適応です。
このあと、腫瘍はさらに大きくなって、脳のいろいろな部分にダメージを与える可能性があります。また出血を起こす可能性もあります。
放射線は効く可能性が充分ありますが、うちではできません。北大病院になります。
ただ放射線のたびに全身麻酔となるので、そこも悩みどころかとは思います。
このあとは、主治医の先生とご相談なさって、北大に行くかどうかご検討ください。」


下垂体腫瘍。
下垂体ということはおそらく良性だ・・放射線が奏功する可能性があるというのも良い情報だ。
しかし放射線となれば最低でも10回はやるのだろう。10回の全身麻酔は現実的なのだろうか・・。北大までは高速道路を使っても渋滞なしで1時間以上かかる。往復も大きな負担だろう。そして放射線治療は根治治療ではなく腫瘍を小さくするだけのはずだ。


この秋で、娘は16歳になる。
フレンチブルドッグで16歳というのは、かなりの長寿だ。(通常は10~12歳とされている)
放射線治療で腫瘍が小さくなれば、寿命との闘いで腫瘍の再増大までの間に逃げ切れるかもしれない。
このまま放置すれば、またあの発作がやってくる。発作後は今よりもっとひどい状態になるはずだ。


しかし、放射線だって副作用はあるし、却って苦しみを増してしまう可能性はゼロではない。


どうしたらいいんだろう・・・。


※「過去にも出血した跡」と言われて思い出したのは、何か月か前に、娘が急に立ち上がれなくなり足をばたつかせて短い時間バタバタしたことが2回ありました。主人も一緒にいたので、めまいでもしたのかなあ?と話をしていたのですが、その時も少し出血していたのでしょうね。